パナソニックデジタル一眼レフカメラ

一方のパナソニックも「やっと2年前に思い描いていた製品までたどり着いた」と商品企画・一眼事業担当総括の房忍氏が話したように、実に清々しい様子を感じた。思えば2年前、同じ房氏に話を伺った時は、いまひとつパナソニックの意図をはかりかねていた。デザインやテイストが異なるとはいえ、オリンパスとプラットフォームが同じボディ。ライカの名を冠したレンズは、いずれもその名に恥じぬよい描写だったが、その分、価格は高くサイズも大きめだった。

 1年前のDMC-L10はコンパクトデジタルカメラ向けに開発した技術をライブビューの中で活用し、そして今年、満を持して発売するマイクロフォーサーズ規格のDMC-G1で完成と相成った。



LUMIX DMC-G1 左からパナソニックコーポレートコミュニケーショングループグループマネージャー 立花隆良氏、商品企画・一眼事業担当 総括 房忍氏、企画グループ 開発企画チーム 参事 井上義之氏


 144万ドット相当のフィールドシーケンシャル液晶EVF(パナソニックではLVFと呼称)は、素早い動きの際にはカラーブレーキングが出て、被写体の輪郭に色付いてが尾引きするが、解像度はとても高い。光学ファインダーほどの見え味は期待できない反面、光学ファインダーでは得られない情報をファインダーから得ることができる。コントラストAFも驚くほど速い。

 おまかせiAにモードダイヤルを合わせておけば、被写体が近いと自動的にマクロモードになったり、顔を自動認識したり、あるいはAFターゲットを指定すれば自動追尾もしてくれる。独立したダイヤルが割り当てられたAFモードをマニュアルにすると、フォーカスリングを動かすのと同時にフォーカスポイント(規定値は中央)を拡大してMFをアシスト。最新のコンパクト機なら当たり前だが、動作が高速なこともあって、新しい操作感を引き出すことに成功している。

 まだ製品版に向けて画質、機能ともにソフトウェアのチューニングを勧めている最中とのことだったが、画素数が1,210万画素に増えているにもかかわらず、DMC-L10に比べて高感度時ノイズも改善されている。実に個人的な感想で恐縮だが、このコンパクトさと使い勝手なら、展示会やカンファレンスなどの取材には、一眼レフよりもDMC-G1の方が機動性も高く、標準ズームがかなり寄れる(30cm)こともあって使いやすいかもしれない。

 後日談だが、房氏に「これならば、”女流”といわず、もっと幅広い層にも訴求する方がよいのでは?」と投げかけると、カメラ好きの男性に向けたカタログも用意しているとのこと。「マニア層ではなく一般の写真愛好家には最適なパッケージと確信しています。それと、重くてカバンに入れて出かけるのが辛いという一眼卒業生にも」という。

 房氏が“一眼卒業生”と表現しているのは、流行の中でデジタル一眼レフカメラを購入し、写真の面白さには気付いたが、セット全体が重くて使わなくなりつつある人たちのことだ。EVF、ライブビューの機能、性能を充実させることでコンパクト機からのステップアップユーザーをサポートするだけでなく、一眼からフェードアウトしつつある人たちをサポートするというのは、これまでにないアプローチだと思う。

 メーカーの特色という意味でも、半導体技術とソフトウェア技術によって機能や性能が大きく改善されていくEVF/ライブビュー中心のカメラはパナソニックに向いている。(インテルに比べ出荷数がずっと少ないとはいえ)45ナノメートル世代の大規模ロジック回路を世界で最初に実用化した半導体部門の実力はもちろん、ソフトウェア技術者の数も実は総合家電メーカーの中で最も規模が大きいと言われているのがパナソニックだ。

 “まだ時期尚早”と懐疑的な意見も残るEVF/ライブビュー専用一眼のマイクロフォーサーズ規格だが、2年後、次のフォトキナの頃には足場をキッチリと固めているかもしれない。

gomachan001 at 15:19 │clip!デジタル一眼レフについて